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ランフラットタイヤがパンクしたらどうする?走行距離・修理可否・交換判断を整備士が解説

公開日最終更新監修舟橋賢司合同会社fellows 代表 / 2級自動車整備士 / ロードサービス実務

BMW・レクサスなどに採用されるランフラットタイヤのパンク対処法を2級自動車整備士が解説。走行できる距離と速度の上限、修理ではなく交換が基本の理由、通常タイヤとの違いまで網羅します。

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ランフラットタイヤを装着した車と空気圧警告灯のイメージ

この記事のポイントは3つ

  • ランフラットタイヤは空気圧ゼロでも走れるが、距離・速度に上限がある(目安80km/h以下で80kmまで)
  • パンクに気づきにくいため、空気圧警告灯(TPMS)を見逃さない
  • パンクしたランフラットタイヤは基本的に修理せず交換する

空気圧警告灯が点いた、走ってよいか迷う、交換先が分からない場合は早めにご相談ください。

BMW、レクサス、メルセデスなどに採用されているランフラットタイヤは、「パンクしても走れるタイヤ」として知られています。しかし、これはパンクしても普段どおり走ってよいという意味ではありません。

ランフラットタイヤがパンクしたときは、まず速度を落とし、安全な場所へ移動し、早めにタイヤ販売店・ディーラー・ロードサービスへ相談することが大切です。空気圧ゼロでも一定距離を走れる構造ですが、走行できる距離や速度には上限があります

JAFの2025年度ロードサービス出動理由では、四輪・二輪合計で「タイヤのパンク・バースト・エアー圧不足」が482,696件、構成比20.90%で2位です。高速道路の四輪では26,985件、構成比44.02%で1位となっており、タイヤトラブルは非常に多い救援理由です。

この記事では、2級自動車整備士の視点から、ランフラットタイヤがパンクしたときの対処法、走行可能距離、修理できるかどうか、通常タイヤとの違いまで解説します。

ランフラットタイヤとは?空気圧ゼロでも走れる仕組み

📌 一言でいうと

サイドウォール(タイヤ側面)を補強し、空気圧が低下しても車体を支えられるよう作られたタイヤ

ランフラットタイヤの補強サイドウォール構造を示すイラスト

ランフラットタイヤは、パンクなどで空気が抜けても一定の速度・距離を走行できる構造を持つタイヤです。乗用車用ではサイドウォールを補強し、空気圧が低下しても車体を支えられるように作られています。

JAFは、ランフラットタイヤについて空気圧ゼロでも一定距離を走れ、応急処置の負担を減らせるタイヤと説明しています。時速80kmで80kmの走行が可能とされることがありますが、これはISO技術基準に基づく目安であり、実際の走行可能距離は車両の取扱説明書で確認する必要があります。

ブリヂストンも、ランフラットテクノロジー採用タイヤは空気圧がゼロになっても所定のスピードで一定距離を走行でき、路上でタイヤ交換を行う必要がないため二次災害の回避につながると説明しています。

構造の特徴補強されたサイドウォールで車重を支えやすい
主なメリット路上でスペアタイヤ交換を行うリスクを減らせる
整備士の視点

ランフラットは走り続けるためのタイヤではなく、安全な場所や修理拠点まで移動するための猶予を作るタイヤです。

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空気圧警告灯が点いたらパンクの可能性を疑う

📌 一言でいうと

ランフラットタイヤはパンクに気づきにくい。空気圧警告灯(TPMS)の点灯を軽く見ない

空気圧警告灯と見た目では異常が分かりにくいタイヤのイラスト

ランフラットタイヤは、空気が抜けてもタイヤが大きくつぶれにくく、走行感覚の変化も小さいため、通常タイヤよりパンクに気づきにくい傾向があります。そのため重要なのがTPMS(タイヤ空気圧モニタリングシステム)です。

JAFは、ランフラットタイヤの場合はパンクの判断が難しいため、空気圧でパンクを感知するTPMSが装備され、警告灯で表示されると案内しています。空気圧警告灯が点灯したら、まず安全な場所へ停車し、タイヤが極端につぶれていないか、車が傾いていないか、ハンドルを取られる症状がないかを確認します。

トヨタも、タイヤ空気圧警告灯が点灯した場合は安全なところに停車し、パンクしていないか確認するよう案内しています。見た目に異常がないからといって走り続けるのは危険です。

警告灯を軽く見ない

警告灯が点いても見た目に異常がないからと走り続けないでください。ランフラットタイヤは気づきにくいからこそ警告灯の確認が大切です。

  • 安全な場所へ停車する
  • 車体の傾きやタイヤのつぶれを確認する
  • ハンドルを取られる症状や異音がないか確認する
  • 走行を続ける前に取扱説明書や専門店へ相談する
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パンク後に走れる距離と速度の上限

📌 一言でいうと

目安は「80km/h以下で80kmまで」。ただし車両重量・外気温・損傷の程度によって短くなる

パンク後の走行距離と速度の上限をイメージしたイラスト

ランフラットタイヤがパンクした場合、多くの車種では80km/h以下で80kmまでがひとつの目安です。ただしこれは無条件に80km走れるという意味ではなく、車両重量・積載量・外気温・路面状況・損傷の程度によって走行可能距離が短くなることがあります。

レクサスの取扱説明書では、ランフラットタイヤがパンクした場合はなるべく速度を落として慎重に運転し、パンクした状態で走るときは80km/h以下、80km以上走行しないよう案内しています。高温時などは80kmまで走行できない場合があるとも記載されています。

実際の現場では、80km走れるかより、安全な場所・最寄りの修理拠点まで移動できるかを基準に考えるべきです。高速道路では急ブレーキや急ハンドルを避け、ハザードランプを点け、SA・PA・非常駐車帯などを目指します。

判断基準

80km走れるかではなく、安全な場所・最寄りの修理拠点まで移動できるかを基準にしてください。

1
減速
急操作を避けて速度を落とす
2
退避
SA・PA・広い駐車場などを目指す
3
相談
交換先や搬送の必要性を確認する
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ランフラットタイヤは修理できる?基本は交換

📌 一言でいうと

空気圧が低い状態で走るとタイヤ内部に大きな負荷。外観が正常でも内部が損傷している可能性があり、基本は交換

ランフラットタイヤの内部損傷と新品交換を示すイラスト

ランフラットタイヤがパンクした場合、基本的には修理ではなく交換と考えます。理由は、空気圧が低い状態で走るとタイヤ内部に大きな負荷がかかるためです。外から見ると傷が小さくても、内部の補強材やコードが損傷している可能性があります。

横浜ゴムは、ランフラットタイヤは空気が抜けた状態である程度距離を走れるものの、構造上タイヤ内部が破損しながら走行するためパンク修理はできず、外観が正常に見える場合でも新品へ交換するよう案内しています。レクサスの取扱説明書でも、パンクしたランフラットタイヤは最寄りのレクサス販売店で交換するよう記載され、パンクしたタイヤを補修して使用しないよう注意されています。

なお、ブリヂストンのQ&Aでは、車両オーナーズマニュアル・取扱説明書に修理されたタイヤの使用を制限していないことが明記されている場合は修理して使用できる可能性があり、修理不可と明記されている場合は速やかに新品タイヤと交換するよう案内しています。修理可否はメーカー指定と専門店の点検で確認することが大切です。

自己判断は避ける

穴が小さいから直せると自己判断しないでください。修理可否はメーカー指定と専門店の点検で確認します。

確認項目見るポイント判断の考え方
取扱説明書補修タイヤの使用制限を確認修理不可なら交換を優先
走行履歴低圧状態で走った距離を確認長いほど内部損傷のリスクが高い
専門点検外観だけで判断しない内部損傷やコード損傷を確認

修理判断で確認したいポイント

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通常タイヤとの違い

📌 一言でいうと

通常タイヤは空気が抜けると走行不可。ランフラットは安全な場所まで移動できる点が大きな違い

通常タイヤとランフラットタイヤを比較するイラスト

通常タイヤは空気が抜けるとタイヤがつぶれ、走行を続けるとホイールやタイヤ内部を大きく傷めます。パンクしたまま短距離でも走行しないことが原則です。

一方ランフラットタイヤはサイドウォールを補強しているため、空気圧がゼロでも一定距離を走れます。スペアタイヤ交換やパンク修理キットの作業を路上で行わず、安全な場所まで移動できる点が大きな違いです。

ただしデメリットもあります。通常タイヤに比べて価格が高めで、乗り心地が硬く感じられることがあります。また交換作業には対応設備や経験が必要な場合があり、すべての店舗で即日交換できるとは限りません。

比較項目通常タイヤランフラットタイヤ
パンク時の走行可否走行を続けないのが原則条件付きで安全な場所まで移動しやすい
路上作業スペア交換や修理キット作業が必要になることがある路上作業を避けやすい
価格比較的選択肢が多い価格が高めになりやすい
乗り心地しなやかに感じやすい硬めに感じることがある
交換できる店舗対応店舗が多い設備や在庫により限られることがある

通常タイヤとランフラットタイヤの違い

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ランフラットタイヤから通常タイヤへ交換できる?

📌 一言でいうと

技術的に交換できるケースはあるが、スペアタイヤ非搭載のためパンク時に自走できるメリットが失われる。安易な変更は非推奨

ランフラットタイヤから通常タイヤへの変更とスペアタイヤ非搭載を示すイラスト

ランフラットタイヤ装着車を通常タイヤへ交換できるかは、車種・ホイール・タイヤサイズ・ロードインデックス・速度記号・メーカー指定によって判断が変わります。技術的に交換できるケースはありますが、安易な変更はおすすめしません

特に注意したいのは、ランフラットタイヤ標準装着車にはスペアタイヤが積まれていないことが多い点です。通常タイヤに替えると、パンク時に自走できるメリットが失われます。パンク修理キットの準備、ロードサービスの加入状況、走行エリアを含めて検討する必要があります。

反対に通常タイヤ装着車へランフラットタイヤを装着する場合も注意が必要です。ブリヂストンは、市販用ランフラットテクノロジー採用タイヤを装着する場合TPMSの装着が必要で、新車時に設定されている車以外では推奨TPMSと市販用アルミホイールをセットで装着する必要があるとしています。またタイヤ選択時は、車両メーカー指定の標準タイヤまたはオプションタイヤの使用を基本とし、サイズ・種類・構造・カテゴリーの異なるタイヤを混用しないよう案内しています。交換を検討する場合はディーラーやタイヤ専門店に相談してください。

通常タイヤへ替える前に

ランフラット標準装着車はスペアタイヤ非搭載が多い車種です。通常タイヤに替えるならパンク時の備え(修理キット・ロードサービス加入)を見直してください。

  • 車両指定サイズ・ロードインデックス・速度記号を確認する
  • TPMSの装着・作動条件を確認する
  • スペアタイヤや修理キットの有無を確認する
  • パンク時の搬送手段を事前に決めておく
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パンク修理キットやスペアタイヤとの違い

📌 一言でいうと

修理キット・スペアタイヤは路上作業が必要な応急手段。ランフラットは作業せず安全な場所まで移動できる

ランフラットタイヤとパンク修理キットとスペアタイヤを比較するイラスト

パンク修理キットは修理剤とコンプレッサーで小さな穴を一時的にふさぐ応急用品です。スペアタイヤはパンクしたタイヤを外して応急用タイヤに交換する方法です。どちらも作業場所の安全確保が必要で、処置後は早めに点検や交換を受ける必要があります。

ブリヂストンは、スペアタイヤへの交換も修理キットの使用も一時的な措置であり、修理キットには速度や走行距離の制限があると説明しています。一方ランフラットタイヤは、パンク時にその場で修理剤を入れたりスペアタイヤへ交換したりせず、安全な場所まで移動できることが特徴です。

ただしレクサスの取扱説明書では、液体のパンク補修剤を使うと空気圧バルブや送信機が損傷するおそれがあるため使用禁止とされています。ランフラット装着車では液体補修剤の使用可否を取扱説明書で確認してください。

補修剤に注意

ランフラットタイヤに液体のパンク補修剤を使うと、空気圧バルブや送信機が損傷するおそれがあります。レクサス取説では使用禁止とされています。

比較項目ランフラットタイヤパンク修理キットスペアタイヤ
路上作業の要否作業せず移動しやすい修理剤と空気充填が必要ジャッキアップ作業が必要
対応できる損傷タイヤ構造内の条件付き走行軽い接地面の穴が中心交換できれば走行再開しやすい
処置後の扱い点検・交換判断が必要早めの本修理や交換が必要応急用は速度や距離に制限がある

パンク時の応急手段の違い

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ランフラットタイヤのパンクを防ぐための日常点検

📌 一言でいうと

ランフラットでもパンクは防げない。空気圧は走行前の冷えた状態でエアゲージで月1回点検

エアゲージで空気圧を点検しタイヤの損傷を確認するイラスト

ランフラットタイヤでもパンクやバーストを完全に防げるわけではありません。釘や金属片、縁石への接触、空気圧不足、摩耗、ひび割れなどが原因で損傷します。

JAFは、タイヤ内の空気は自然に抜けていき、バーストも空気圧不足が主な原因であるため、少なくとも1カ月に1回は空気圧や亀裂・損傷をチェックするよう案内しています。ブリヂストンも、タイヤの空気圧は走行前の冷えている時にエアゲージで最低1カ月に1度点検し、指定空気圧を下回らないよう調整することを推奨しています。

特に偏平タイヤの空気圧不足は見た目で分かりにくいため、エアゲージでの確認が重要です。空気圧警告灯だけに頼らず、摩耗・ひび割れ・縁石接触の痕も見ておくと、トラブルの早期発見につながります。

点検のコツ

空気圧は走行前の冷えた状態で確認します。指定空気圧は運転席ドア付近の表示や取扱説明書で確認してください。

  • 空気圧をエアゲージで月1回点検する
  • タイヤ側面の亀裂・損傷を確認する
  • 溝の深さと摩耗の偏りを確認する
  • ひび割れやふくらみがないか確認する
  • 縁石接触後は早めに点検を受ける
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自分で対処が難しい場合はロードサービスに依頼を

📌 一言でいうと

ランフラットタイヤのパンクは「走れるから大丈夫」ではなく「安全な場所まで移動できる猶予がある」と考える

ランフラットタイヤのトラブルでロードサービスが到着するイラスト

ランフラットタイヤはパンクしても一定距離を走れる便利なタイヤです。しかし警告灯が点いた状態で走り続けたり、パンクしたタイヤを自己判断で修理して再使用したりするのは危険です。

空気圧警告灯が点いた、異音がする、ハンドルを取られる、タイヤの損傷が見える、走行距離の上限に近い、交換できる店舗が分からないといった場合は無理に走らせないでください。JAFも空気圧警告灯の点灯時はパンクの可能性があるため救援要請を案内しています。

安全な場所に停車し状況を確認したうえで、ディーラー・タイヤ専門店・ロードサービスに相談するのが現実的です。自分で判断が難しい場合はロードサービスへ依頼すれば、現場の安全確保・応急対応・搬送先の判断まで任せられます。ランフラットタイヤのパンクは走れるから大丈夫ではなく、安全な場所まで移動できる猶予があると考えて対応してください。

カートラブル110番では、タイヤトラブルの状況に応じて応急対応や搬送をご案内しています。詳しくはパンク・タイヤ交換サービスの詳細レッカー搬送サービスの詳細料金表をご確認ください。

相談の目安

警告灯・異音・ハンドルの違和感・交換先が分からない場合は、走行を続ける前に状況を伝えて相談してください。

1
安全確保
ハザードを点けて安全な場所へ退避
2
状況確認
警告灯・損傷・走行距離を確認
3
相談
専門店・ディーラー・ロードサービスへ連絡

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監修者
合同会社fellows 代表 / 2級自動車整備士 / ロードサービス実務

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