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ガス欠の対処法|燃料警告灯が点いたとき・走行中に止まったときの正しい対応を整備士が解説

公開日最終更新監修舟橋賢司合同会社fellows 代表 / 2級自動車整備士 / ロードサービス実務

ガス欠の対処法を2級自動車整備士が解説。燃料警告灯が点いてから走れる距離の目安、走行中に止まりそうなときの安全確保、高速道路での違反リスク、携行缶でガソリンを運ぶルール、再始動の注意点まで網羅します。

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燃料計の警告灯が点灯したダッシュボードのイメージ

🔍 この記事のポイントは3つ

  • 燃料警告灯が点いたら「まだ走れる」ではなく「すぐ給油が必要」と考える
  • 走行中に止まりそうなときは、まずハザードを点けて安全な場所へ
  • 高速道路でのガス欠は道路交通法違反になることがある(違反点数2点・反則金)

ガス欠で停車した、再始動できない、場所が危険な場合は、無理に動かさずご相談ください。

燃料計の警告灯が点いたり、走行中にエンジンが止まりそうになったりすると、「あと何キロ走れる?」「ガソリンを入れに行けば大丈夫?」「高速道路だったらどうすればいい?」と焦る方は多いです。

ガス欠は単なるうっかりに見えますが、場所によっては命に関わる危険なトラブルです。JAFの2025年度ロードサービス出動理由では、四輪・二輪合計で「燃料切れ」が40,880件、高速道路だけでも5,705件発生しており、高速道路では出動理由の2位に入っています。

この記事では、2級自動車整備士の視点から、ガス欠の対処法、燃料警告灯が点いてから走れる距離の目安、高速道路での注意点、携行缶でガソリンを運ぶ際のルール、ロードサービスに依頼する流れまで解説します。

燃料警告灯が点いたら、あと何キロ走れる?

📌 一言でいうと

燃料警告灯は一般的に5〜10Lで点灯。ただし走行条件で大きく変わるため「すぐ給油が必要な状態」と考える

燃料警告灯が点灯した燃料計のイラスト

燃料警告灯が点いても、すぐに燃料がゼロになるわけではありません。JAFは一般的に燃料残量警告灯は5〜10L程度で点灯すると説明しています。ただし、実際の残量の目安は車種によって異なるため、取扱説明書で確認することが大切です。

「5L残っていて燃費が15km/Lなら75km走れる」と計算したくなりますが、実際はそこまで単純ではありません。坂道、渋滞、エアコン使用、乗車人数、荷物の重さ、走行速度によって燃費は大きく変わります。燃料が残っていても、坂道などで車体が傾くと燃料を吸い上げにくくなる場合もあります。

JAF Mateのテストでは、警告灯点灯後の走行可能距離は車種や条件で大きく変わり、コンパクトカーでは条件が良ければ長く走れた一方、ミニバンの渋滞モードでは約42kmほどに短くなったとされています。実際の道路では勾配や信号、交通状況があるため、テストコースより厳しい条件になる可能性があります。

燃料警告灯が点いたら「まだ走れる」ではなく、すぐ給油が必要な状態と考えましょう。特に高速道路や山道では次の給油所までの距離を確認し、早めにSA・PAやガソリンスタンドへ向かう判断が必要です。

点灯の目安一般的には残量5〜10L程度。ただし車種差があります。
走行距離の変動要因渋滞、坂道、エアコン、積載量、速度、道路勾配など。
整備士の視点

燃料警告灯は残り距離を保証するものではありません。点灯した時点で、最寄りの給油所へ向かう判断に切り替えてください。

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ガス欠になりそうなときの対処法

📌 一言でいうと

アクセルを踏んでも加速しない・エンジンが息継ぎするのはガス欠寸前のサイン。ハザードを点け安全な場所へ

ガス欠寸前の車がハザードを点けて路肩へ寄るイラスト

走行中にアクセルを踏んでも加速しない、エンジンが息継ぎする、警告灯が点いたまま燃料計が下限に近い場合は、ガス欠寸前の可能性があります。

まずハザードランプを点け、急ブレーキや急ハンドルを避けながら安全な場所へ移動します。一般道なら、交通の流れを妨げにくい路肩、コンビニや店舗の駐車場、広い退避スペースなどを目指してください。完全に止まる前に少しでも安全な場所へ寄せることが重要です。

交差点内、踏切、カーブ、坂の頂上付近に止まるのは危険です。車が完全に止まってしまう前に、周囲を見ながら退避できる場所を探します。

停車後はエンジンを無理にかけ続けないでください。ガス欠後にスターターを何度も回すと、バッテリーやスターターモーターに負担がかかります。JAFも、ガス欠では燃料ポンプ、インジェクター、バッテリー、スターターなどの寿命が短くなる可能性があると説明しています。

停車場所に注意

交差点内・踏切・カーブ・坂の頂上付近に止まるのは危険です。完全に止まる前に安全な場所へ寄せてください。

  • ハザードランプを点ける
  • 急ブレーキ・急ハンドルを避ける
  • 路肩、駐車場、退避スペースを目指す
  • 停車後はスターターを何度も回さない
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高速道路でガス欠になった場合は安全確保が最優先

📌 一言でいうと

高速道路では車内に残らずガードレールの外へ避難。通報は非常電話・#9910・110番を使い分ける

高速道路の路肩に停車した車とガードレール外への避難を示すイラスト

高速道路でガス欠になった場合、まずハザードランプを点け、急ブレーキを避けて緩やかに減速し、できる限り路肩や非常駐車帯へ停車します。NEXCO中日本は、故障時はハザードランプで後続車へ合図し、急ブレーキをかけずに減速して路肩や非常駐車帯に停車するよう案内しています。

停車後は発炎筒や停止表示板で後続車に合図します。ただし、交通量が多い場所や夜間・雨天などで危険を感じる場合は、無理に車の後方へ歩かないでください。最優先は自分と同乗者の避難です。

車内に残るのも危険です。NEXCO中日本は、運転者も同乗者も車を降り、ガードレールの外など安全な場所へ速やかに避難するよう呼びかけています。

避難後は非常電話、道路緊急ダイヤル「#9910」、または110番で状況を通報します。故障の場合は非常電話または#9910、事故や負傷者がいる場合は110番が基本です。非常電話は本線上に1kmおき、トンネル内では200mおきに設置されています。

1
ハザードを点ける
後続車に異常を知らせながら緩やかに減速します。
2
路肩・非常駐車帯へ停車
急操作を避け、できるだけ安全な場所へ寄せます。
3
ガードレールの外へ避難
車内や車の前後に残らず、道路外の安全な場所へ移動します。
4
通報する
非常電話、#9910、110番を状況に応じて使い分けます。
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高速道路でのガス欠は道路交通法違反になることがある

📌 一言でいうと

高速道路上で走行不能になると違反点数2点・反則金(普通車9,000円)。ただし渋滞などやむを得ない事情なら違反に問われないこともある

高速道路でのガス欠と交通違反リスクを示すイラスト

高速道路でガス欠により停止すると、道路交通法違反に問われる可能性があります。道路交通法第75条の10では、高速道路を運転する前に燃料やオイルの量などを点検し、燃料不足などで走行できなくならないよう措置を講じることが義務付けられています。

JAF Mateも、この義務に違反して本線車道等で走行不能になった場合、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金、過失の場合は10万円以下の罰金となると説明しています。

行政処分としては「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」は違反点数2点です。警視庁の反則金一覧では、同違反の反則金は普通車で9,000円、大型車で12,000円、二輪車で7,000円とされています。

ただし、すべてのケースで一律に違反と判断されるわけではありません。渋滞に巻き込まれて次のSA・PAまで辿り着けずガス欠になった場合などは、やむを得ない状況と判断されることもあります。とはいえ高速道路上での停止は非常に危険なため、高速道路に入る前に次の給油場所までの距離も確認しておきましょう。

区分内容
違反点数2点
普通車反則金9,000円
大型車反則金12,000円
二輪車反則金7,000円

高速道路での燃料切れに関する主な行政処分・反則金

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自分で携行缶にガソリンを入れて運ぶときの注意点

📌 一言でいうと

ガソリンは危険物。セルフスタンドでも利用者本人は携行缶に給油できず、従業員が行う必要がある

消防法令に適合したガソリン携行缶のイラスト

一般道で安全な場所に停車できており、近くにガソリンスタンドがある場合は、携行缶で燃料を運ぶ方法もあります。ただしガソリンは危険物で、ペットボトル・灯油用ポリ容器・バケツなどに入れてはいけません

総務省消防庁は、ガソリンを携行缶で購入する際、本人確認、使用目的の確認、販売記録の作成が義務付けられていると案内しています。また、ガソリンは灯油用ポリ容器に入れられず、セルフスタンドであってもガソリン容器への詰め替えはガソリンスタンドの従業員が行う必要があります。

つまり、セルフスタンドで利用者が自分で携行缶に給油することはできません。店員に依頼し、消防法令に適合したガソリン携行缶を使います。運搬時はキャップを確実に閉め、車内に長時間放置せず、火気や静電気にも注意が必要です。

高速道路上で「歩いてガソリンを買いに行く」のは危険です。路肩や本線上を歩く行為は事故につながるため、安全な場所へ避難したうえで、道路管理者やロードサービスに連絡してください。

容器のルール

ガソリンをペットボトル・灯油用ポリ容器・バケツに入れてはいけません。消防法令に適合した携行缶を使ってください。

  • 消防法令に適合した携行缶を使う
  • 給油はガソリンスタンドの従業員に依頼する
  • 本人確認・使用目的の確認に対応する
  • キャップを確実に閉める
  • 車内に長時間放置しない
  • 火気・静電気に注意する
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ガス欠後に再始動するときの注意点

📌 一言でいうと

スターターを長時間回し続けない。ディーゼル車はエア抜き作業が必要になる車種がある

燃料補給後に車を再始動する前の確認を示すイラスト

燃料を補給した後は、シフトをPまたはNに入れ、パーキングブレーキをかけ、周囲の安全を確認してから再始動します。少量の燃料では吸い上げにくい場合があるため、できれば数Lだけではなく、ある程度まとまった量を入れるほうが安心です。

エンジンがすぐにかからなくても、スターターを長時間回し続けないでください。燃料ラインに燃料が行き渡るまで時間がかかることがあり、何度も始動操作をするとバッテリー上がりやスターター故障につながることがあります。JAFは、ガス欠時には燃料パイプラインからも燃料がなくなり、給油してもすぐに行き渡らないため、スターターやバッテリーの負担が増えると説明しています。

ディーゼル車はさらに注意が必要です。燃料系統に空気が入ると、エア抜き作業が必要になる車種があります。日産のディーゼル車取扱説明書では、燃料補給後にプライミングポンプを操作力が重くなるまで繰り返し握り、燃料系統内のエア抜きを行う手順が案内されています。また、始動しない場合にSTART位置で15秒以上保持しないよう注意も記載されています。

エンジンがかからない、警告灯が消えない、燃料を入れてもすぐ止まる、異音や異臭がある場合は、無理に再始動を繰り返さず整備工場やロードサービスへ相談してください。

ディーゼル車の補足

ディーゼル車は燃料系統に空気が入るとエア抜き作業が必要になる車種があります。給油すればすぐ走れるとは限りません。

1
安全確認
PまたはN、パーキングブレーキ、周囲確認
2
燃料補給
少量だけでなく余裕を持って補給
3
短く始動
長時間スターターを回し続けない
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ロードサービスに依頼した場合の流れ

📌 一言でいうと

依頼時は現在地・道路名・進行方向・車種・燃料の種類・停車位置・同乗者の有無を伝えるとスムーズ

ガス欠の車にロードサービス車が到着するイラスト

ガス欠で動けない場合、ロードサービスに依頼すると、現場の状況に応じて燃料補給や搬送が行われます。依頼時には現在地、道路名、進行方向、車種、燃料の種類、停車位置、同乗者の有無を伝えると対応がスムーズです。

スマートフォンのGPSを使える場合は、位置情報を共有できるサービスを利用すると場所の特定がしやすくなります。高速道路では、上り・下り、キロポスト、近くのIC・SA・PAも分かる範囲で伝えてください。

JAFのロードサービス内容では、昼間・高速道路での燃料切れ給油作業の例が示されており、会員は燃料代、非会員は作業料金が必要になるケースがあります。また高速道路など危険度の高い場所では後方警戒車や安全資機材を活用し、利用者にはガードレールの外など安全な場所で待機するよう案内しています。

燃料補給でエンジンがかかれば、そのまま最寄りのガソリンスタンドへ向かい十分に給油します。再始動できない場合や、燃料ポンプ不良、バッテリー上がり、燃料の入れ間違いが疑われる場合は、整備工場まで搬送する判断になることがあります。

  • 現在地
  • 道路名
  • 進行方向
  • 車種
  • 燃料の種類
  • 停車位置
  • 同乗者の有無
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ガス欠で動けないときはロードサービスに依頼を

📌 一言でいうと

ガス欠の対処で最も大切なのは、燃料をどう入れるかよりも安全を確保すること

ガス欠で停車した車にロードサービスを呼ぶイラスト

ガス欠の対処法で最も大切なのは、燃料をどう入れるかよりも安全を確保することです。燃料警告灯が点いたら早めに給油し、走行中に異変を感じたらハザードを点けて安全な場所へ移動します。

高速道路では車内に残らずガードレールの外へ避難し、非常電話や#9910、110番で通報します。携行缶でガソリンを運ぶ方法もありますが、消防法令に適合した容器、本人確認、使用目的の確認、従業員による給油など、守るべきルールがあります。

ディーゼル車ではエア抜きが必要になる場合もあり、給油すればすぐ走れるとは限りません。安全な場所で自分で対応できる状況なら落ち着いて燃料補給を行いましょう。

一方で、高速道路上、交通量の多い道路、夜間、雨天、再始動できない場合、燃料の種類に不安がある場合は、無理をせずロードサービスに依頼するのが安全です。必要に応じてレッカー搬送サービスの詳細料金表も確認してください。ガス欠で動けないときはまず身の安全を守り、専門スタッフに状況を伝えて適切な対応を受けましょう。

相談の目安

高速道路・夜間・雨天・交通量の多い場所・再始動できない場合は、自力対応よりも安全確保と専門スタッフへの相談を優先してください。

1
安全確保
車内や車の前後に残らない
2
状況共有
現在地と燃料の種類を伝える
3
対応判断
給油・再始動確認・搬送を選ぶ

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舟橋賢司の顔写真
監修者
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